ボッダー式MLD(マニュアル・リンパ・ドレナージ)は、1932年エミール・ボッダー医師の、風邪をひいた人のリンパ節をマッサージすると良い効果があるという発見から始まり、30年間にわたる、テクニックの改良と効果の科学的証明がなされた後、1972年にオーストリアにスクールが開設されました。
身体の60%は水分ですから、まずリンパ液の話しからしましょう。 身体の水分の割合を簡単に計算してみました。
水分(体重の60%)
体重50kgsとし
30kgs ⇒ 血液(体重の1/13)
3.8kgs ⇒ その他26.2kgs
(リンパ液、細胞間液)
血液は血管の中を通っている液体ですが、毛細血管壁から細胞間に染み出るときは、
赤血球・白血球・血小板を除いたものとなり、血漿・プラズマと呼ばれます。
リンパ液はこれに似ていますが、これ以外に
1)過剰な水分
2)老廃物(会社物や死んだり、傷ついた細胞)
3)※たんぱく質(分子がおおきいので、静脈壁を通れない。)
4)リンパ球
5)長鎖の脂肪細胞
6)体外から入った異物(炭塵・ガラス粉・染料など)
7)細菌
1)から7)の物質(リンパ・オブリガリーロードと呼ばれます。)を含んで
リンパ管に入ってリンパ液となります。そして、心臓に運ばれていくわけです。
※たんぱく質は、浸透圧の関係で水を引き寄せます。
塩分だけでなく、たんぱく質の多い食事は、むくみの原因になります。
リンパ液はリンパ管によって運ばれて、心臓に戻ります。
リンパ管は毛細血管のあるところ(身体中)に、はりめぐらされています。
血管は心臓からスタートしていますが、リンパ管はしていないのが大きな違いで、
両方とも心臓に戻っているのは、共通点です。
皮膚下0.3mmに多く位置し、リンパ系において組織間液を吸収できるのは、この起始リンパ管のみです。 組織間液の量が増えると、コラーゲン繊維がひっぱられて、自然に隙間があいて液がリンパ管の中に入ります。 叉外の体積が減ると閉じます。 |
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起始リンパ管横断面図 |
起始リンパ管に続き、アンジオンという弁膜に区切られています。リンパ管は、このアンジオンに区切られた分節がいくつも連なって出来ています。1つの分節がリンパ液で 一杯になると、収縮して次の分節へと押し出します。 | |
リンパ管縦断面図 |
アンジオンがきちんと収縮することが、リンパ液の正常な移動に必要です。
アンジオンの収縮を促すものに、
1)MLD
2)筋肉の動き
3)呼吸(吸息時の胸腔内圧のよる)
4)動脈の脈動
5)消化器系の蠕動運動
参考文献:
JEA MLDテキスト
リンパドレナージ 別冊ソワンエステVol.9
Textboo of Dr.Vodder7s Manual Lymph Drainage Basic course